第17章 ※熱と不在と、再会と頭突きと
私は出来る限り早く走った。
外の寒い空気なんて、感じないくらいに。
私が向かうのは、自分もかつてお世話になった木ノ葉病院。
病院のドアを、勢いよく開く。
激しい音ともに私は院内に飛び込んだ。
待合室にいた数人の患者たちは、何事だ?と私の顔を見て固まってしまっている。
しかしそんな事は今はどうでもよかった。
私は一番近くにいたナースに向かう。
「あら!貴女は…久しぶりね!なんだかすごく元気そ」
『あのっ…!は、っ、あの、診て、頂きたい人っが…、はぁ…///いるん、ですけど!」
私は息も切れ切れに訴えかける。
この時の私は必死だったので気付いていないのだが。このナースは私がこの世界に来て初めて会話をした人物。
「何か事情がありそうね。その人はどこにいるの?すぐに行くわ」
私達は、二人でサスケの元へ急いだ。
しかしこのナース…とてつもなく足が速い。
大きな荷物を抱えているというのに、全く追いつけないのだ。
「……貴女、足遅いわねぇ」おそろしく
『ごっ、…ごめんな、さっ』
苦しんでいるサスケの為に、一刻も早く家に戻りたいと。懸命に足を動かす。
懸命過ぎたあまり…。
「あれ!?あの子どこに…」
私は見事にすっ転び、顔面から地面に突っ込んでいた。きっと彼女の視界からは、瞬時に姿を消したように見えたのだろう。
一度は遠くまで先に走っていったナースが、私が着いてきていない事に気が付いて戻ってきてくれる。
『……』
「この世界に、そんな転び方する人本当にいるのねぇ…」鼻擦りむいてる…