第17章 ※熱と不在と、再会と頭突きと
「…俺と、エリが特訓を始めてからどれくらいになる?」
特訓。というのは勿論、私の為のスキンシップを指す。
『え…っと、二ヶ月弱…ってところかな』
今日の彼は会話の脈絡がなさ過ぎる。
どうしてそのような事を急に言い出したのか。
「今日は俺から触る」
急にどういう事?!と口を開く暇もなかった。
『っ!』
私は彼に押し倒され。そしてさらに両の手首を掴まれ、完全に拘束されていた。
全く身動きが取れない。頭の中は大混乱だ。
「…触、る」
彼の綺麗な顔が近付いてくる。
私は抵抗も忘れて、強く目を瞑る。
てっきり彼の唇が、私の唇に降ってくると思っていたのだが。予想に反して、それは私の首筋に押し付けられた。
『!?や、///ちょっと待って!これはもう触るとかそういうのとは違っ』
サスケの唇は、執拗に私を攻める。首筋から、耳たぶの裏。鎖骨、そして反対側の首筋へ移り…
チロリと彼の舌が肌を這う。
『っ!?』
舌のあまりの熱さに、思わず体が跳ねる。
そして耳に彼の熱い吐息がかかると、それはまた私の体温上昇を加速させた。
体がぶるりと震える。怖い。
なんとか彼と話をしなければ。
『サスケ君っ、ほんとに、待って!落ち着いて欲し』
「うるさい」
『んっ!?』
突如奪われる唇。強引に捻じ込まれた舌。
それらは、嘘みたいに熱い。頭が溶けそうだ。
強制的に開かれた唇の間から、まるで舌が生きているかのように私の中に進入し、そしてうごめいた。
『っ、ぅ、…っは』
ぬるりとした感触に翻弄され、もう抵抗する気力さえなくなってくる。
すると、やっとサスケは私の唇を解放した。
お互いの唇と唇との間を、まるで別れを惜しむみたいにつぅと糸を引いていた。