第13章 初任給と偶然と、パンツと学校と
後ろから二人の声が聞こえる。
そこには湯上りでさっぱりしたサスケの姿が。
私とイルカが料理に夢中になっている間に、いつの間にか髪も乾かし終えたサスケがいた。
『サスケ君、ただいま。お風呂上がったんだね』
「…あぁ」
『じゃぁちょっと表来てくれる?
サスケ君にお願いしたい事があるんだ』
「??」
私はサスケを連れ外へ出る。
なんだか面白そうということで、カカシとイルカも当然のように付いてくる。
私は串三本を鰹に打ち込み、それを持ち上げる。
そしてしゃがみ込む。
『はい、準備いいよ』
そしてサスケを見上げる。
「……は?」
『サスケ君!ほら火遁、火遁』
「あぁなるほど!鰹のたたきか!」
閃いた顔のイルカが言う。
「お前…、俺の事、なんだと」ほら火遁火遁じゃねぇよ
「いやサスケ、美味しい晩御飯はお前の手にかかっている」
カカシがふざけてサスケを煽る。
「お前ら…本当に…。後で覚えてろよ」
こんがり表面だけ抜群に焼けた鰹を持って、私達は食卓へと急ぐ。
『では…』
『「「「いただきます」」」』
私たち四人は揃って食事を開始する。
「あぁ…相変わらず美味い…」
イルカがうっとりと箸を進める。
「この料理毎日食べられる俺、羨ましいでしょ?」
「俺も食べてる」
「うぅ…正直、めちゃめちゃ羨ましいです…っ」
『サスケ君が焼いてくれた鰹…美味しい…』
焙りたての香ばしい鰹のタタキに、私もイルカに負けず劣らず、うっとりとしてしまう。