第12章 愛の鞭と、レモンと母と
私はタンスからマフラーを出してきて、カカシの首に回す。
『そろそろ寒さも厳しくなってきましたから。風邪ひかないようにして下さいね』
「…もし風邪引いたら、エリが看病してくれるのかな?」
『それは勿論』
「そっか。それなら、風邪も悪くないよね。
じゃぁ行ってくるよ」
カカシはふわりと笑って、外へと出た。
彼と喧嘩をして、仲直りしてからというもの。やはり私たちの距離は縮まった気がする。
それは、側から見ていても分かるようで。
「…カカシと、何かあったのか?」
『…うーん、どうなんだろう。
喧嘩して、仲直りして。地固まるって感じなのかな』
カカシと仲直り出来た事は、すぐさまサスケに伝えていた。
サスケとミナトのおかげで仲直り出来たような物だから。少しでも早く伝えたかったのだ。
「そうか…
あと明日だが」
『明日?』
「俺は任務があって、夕方からしか付き添ってやれないんだが…。
本当に、会いに行くのか?バッテラに」
『え、ついてきてくれなくても大丈夫だよ。
私だけで行けるから。だからサスケ君は気にしないでいつも通りお仕事してきてね?』
もし予定が空いていれば付いてきてくれるつもりをしていたのだろうか。
サスケは本当に優しい…
「そ、そんな顔で見るな!」
ついつい微笑ましい顔で彼を見てしまっていたらしい。
そんなこんなで、私とサスケがしばらくリビングで会話をしていると
カカシが帰ってきて、各々入浴等を済ませ解散になった。