• テキストサイズ

モノクローム【NARUTO】

第11章 鰹と抱擁と、仲直りと告白と




しばらく二人で歩いて、いつのまにか人気のある道からは随分遠のいた。

この辺りは街灯も少なくて、人もほとんどいない。


「…残念だったね。せっかく楽しそうに働いてたのに」

『やっぱり、見に来てくれてたんですか?二日共』

「え。なにそれ、誰から聞いて」

ミナトに聞くまで、もちろん気付ける余地など私にはなかった。彼に言われて、サスケも昨日同じ建物を気にしていた事を思い出したのだ。

そこにはやはり、カカシがいてくれたのだろう。

『お仕事で、忙しいでしょうに…。ほんと…何やってるんですか』

違う、違う。こんな事が言いたいのではない!

「ほんとだよね、うん」

罰が悪そうに、苦笑いするカカシ。


『はたけさんっ』

「ん?」

『あの、さっきは…助けて頂いて、ありがとうございました…あの、私っ』

「いいよ、そんなの。俺が勝手にやった事だし」

カカシは、私の頭上まで手を持ってくるが。
全く触れずに、すぐ元の位置まで手を戻す。


彼は、必要最低限にしか私に触れない。

いつもそうだった。やむ無く触れる時は、いつだって私を助けてくれる時。

「無事で良かった」

そして その笑顔を見た時、何故だか胸が張り裂けそうになった。

『は…たけ、さん。ごめんなさい…、私、っ、ずっと貴方に謝りたかったんです。
怒らせて…、しまった事、ごめんなさ…っ』

堰を切ったようように、両目から流れ出る涙。

「な、泣かないでいいんだよ、ほら。言ったでしょ!

もう俺が折れたんだから、君が謝る必要は、ないんだよ」

/ 630ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp