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モノクローム【NARUTO】

第8章 鹿とたんぽぽと、デートとご褒美と



『…おいしいっ…』ほわ

なんとなく初めに手を付けた 切り干し大根の優しい味に、思わず声を漏らす。


「初めて少し、俺に気を許してくれたかな」

『…美味しい物に、罪はないです』

「気に入ってくれたみたいで良かったよ」

『話の途中でしたね…あの、ミナトさんは
…私の事を知っているんですか?』

カカシの家に現れたミナトは、カカシやサスケの留守を狙って来たと言っていた。
と、いうことは私に会うことが目的?

この世界に来て私には知り合いなどほぼいない。

そんな状況下にも関わらず、私と話をしたがる特殊な彼は…

私がどういう存在か知っているかもしれない!

これは私の、まぁ“カン”だった。


「うん、ずっと会いたかった」

『…どこかで、お会いしましたか?』やっぱり…

意味深な発言に、さきほどの考えが現実味をおびた気がした。

「ん?いや?初対面だよ」

…この人…読めない!!




『あの、ご馳走様です。お金が出来たらきちんとお返しするので…』

二人ともが食べ終わってから、店の外へ出る。

そして会計を済ませたミナトにそう申し出た。

「気にしなくていいからって言ったでしょ?
美味しいって食べてくれただけで、俺は満足」


ミナトはまるで、辺りを明るく照らす太陽みたいに笑う男だった。

やはり、どうしても悪人には見えないのだった。

『ありがとう、ございます』

「ん!いいの。さーて次は…買い物とか?」

『…とか?とは…』

「デートといえば、どこに行くのかなって。
やっぱり買い物で色々見て回るものじゃない?」

『……デー』

「ほら、そこの店とか。最近出来たばっかりで若い子に人気だよ!」

私の頭がまだ情報処理に大忙しだというのに。この男はそんな事お構いなしといわんばかり。

今度は強引に私を、その店に誘導した。

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