第4章 ブレスレット
『でも私……』
お兄ちゃんと初めてってことはもう出来ない。そう思うと、また涙が出る。
「太宰さんにからしに行ったわけじゃないよね」
お兄ちゃんがぽつりと言った。
お兄ちゃんの言葉にそんなこと絶対ない、って断言出来るほど自信がなくて私は曖昧に頷いた。
太宰さんに「危機感がない」とか「無防備」とか言われたから。
「うん、分かってるよ…大丈夫、僕はどんな事があってもが好きだから」
お兄ちゃんは優しい口調で私を慰める。その言葉で胸がいっぱいになる。
うん、と頷けば頭を撫でてくれた。
お兄ちゃんの事を見つめていると、両手で私の頬を包みこんだ。
お兄ちゃんの手はひんやりとしていて冷たかった。でもどこか温かく感じて安心する。
「僕だけのでいてくれる?」
ずっと前から私はお兄ちゃんのものだよ
こくこくと頷けばお兄ちゃんは微笑んで軽くキスをした。触れるだけの優しい口付け。
やっぱり私にはお兄ちゃんしかいないよ。
『……ん、』
唇が離れたと思って息をしようとしたその瞬間、またキスされてお兄ちゃんの舌が入った。
『っ、ぁ、ふっ…』
舌入れられるの慣れなくて、苦しい。けど、お兄ちゃんからキスされるのはものすごく嬉しかった。