第4章 ブレスレット
「キスしていい?」
お兄ちゃんは抱きしめたまま言ってきた。吐息が耳にかかって、ビクリと身体が震えた。
『だ、だめ……』
本当はお兄ちゃんとキスがしたいけど断った。
キスしたくないの、お兄ちゃん以外としてしまったから。
お兄ちゃん以外とキスしたの自分にとっては許せない。
「そっか」
兄ちゃんは悲しそうに答える。ギュッとさらに抱きしめる力が強くなった。
そんなお兄ちゃんを見ると胸が苦しくなって、言うか迷っていたけど決めた。
私は太宰さんとの事を言うことにした。
ここで言わないと、きっとお兄ちゃんに嫌われちゃうから。
太宰さんとの事知った方が、私の事嫌いになるかもしれない。
でも言わないよりマシだと思った。