第4章 ブレスレット
太宰さんは、じりじりと私を壁の方へと追い詰めた。
壁に両手を置いて、私が逃げれないようにする。
『それで、その…… 』
何で問い詰められているんだろう。
──怖い。
ずっと恐怖を感じる。
私が何も言えないでいると、太宰さんは付け足して話す。
「悲しかったんだよ?ちゃん、私の気持ちが分かるかい?」
避けていた理由を聞かれた時は答えれなかったから、次こそはちゃんと答えようと思ったけど、何も答えれない。
『ご、ごめんなさい……』
私は謝ることしか出来ない。
「謝ってほしいんじゃないんだよ」
そう言われて、余計にどうしたらいいのか分からなくなった。