第3章 身近
9時を過ぎてもお兄ちゃんは何も言わない。
今日はしないのかな…
昨日はやっていないから、今日はしたいなって思ったけど…
何も言ってくれないから不安になる。
やっぱり、私の事嫌いになったのかな。
お兄ちゃんはどうなのか知りたくて、聞いてみることにした。
丁度あの子がお風呂に入っていて、2人きりなら聞きやすいだろうと思って声をかける。
『今日は…しないの?』
こうやって聞くのは緊張する。
それに返事を聞くのも。
ドキドキしながら返事を待つ。
「…ごめん。今日はちょっと疲れてるから、また今度ね」
返事は期待していた言葉じゃなかった。
『え…そ、そうなんだ…その、ごめんね…』
残念ではあったけど仕方がない。