第3章 身近
仲直り出来たのか分からないけど、相合傘して一緒に帰っている。
それだけで私の機嫌は良くなる。
チラリとお兄ちゃんの方を見る。
少し肩が雨で濡れていた。
『…肩濡れてる』
そっと傘をお兄ちゃんの方へと傾けたけど、お兄ちゃんも私の方へと傾けた。
「いいよ、そしたらが濡れる。昨日も濡れて帰ってきたんだから風邪ひくよ。」
『…傘持ってこれば良かった』
朝は天気が良くて、降らないと思っていた。けど、今は雨が降っている。
「でもこうやって相合傘出来ているから持ってこなくても良かったよ」
お兄ちゃんの言葉に私はうん、と頷いた。