第3章 身近
それから私は真面目に仕事をするけど、
『はあ…どうしよう…』
何十枚もある資料プリント。
このプリントをまとめなければいけない。
結構大変で、終わりが見えない。
「大丈夫?大変そうだね」
『!!』
やる気が出ない。そう思ってて、ぼー…としていたけど、お兄ちゃんの声でハッとした。
手が止まっている事に気付いたのかな。
振り返って見る。
「鏡花ちゃん、少し手伝うよ」
「うん」
お兄ちゃんは私ではなくて、"鏡花ちゃん"に話しかけていた。
『あ…』
そっか。そうだよね。
お兄ちゃんにあんな態度とっているから…
私には話しかけてこないよね…
そう言える確信はある。
さっきもそうだった。