第2章 冷たい雨
台所に向かって、水道でまず手を洗った。
そして机の上を見てみるとおにぎりは、綺麗な三角形の形で、お皿にのせられている。
『三角....』
がぽつりと言葉を呟くと、敦が教える。
「うん、鏡花ちゃんが握ってくれたんだ。僕がすると綺麗に握れないから....」
それを聞いたは、それでいいのに。と心の中で思った。
孤児院にいた時に職員の目を盗んで、隠れて残飯で作っていた。
その時敦が作ってくれたいびつな形のおにぎりが好きだから。
久しぶりに作ってくれたと思って嬉しかったが、作ったのは鏡花だった。
少し残念な気持ちになったが、おにぎりは美味しいから。と一つとってぱくりと食べた。