第1章 いつも
朝起きると、もう敦は探偵社に行っていた。
卓袱台には朝ごはんが並べられていた。
まだ温かそうで、は今のうちに食べた。
食べ終わると、食器を洗う。
洗い終われば、することがない。
──なんで非番なのかな
は畳に寝転がり、考えた。
──私が非番なら、お兄ちゃんも非番ならいいのに。
文句ばかり浮かんでくる。
そんな時に、呼び鈴が鳴ったのが聞こえた。
立ち上がって、玄関の方へ向かった。
ドアを開けると、立っていたのは太宰だった。
『えっ、どうしたんですか?』
「そういえば今日ちゃんは非番だったなって。それでちゃんを心中に誘おうと思ってきたのさ。」
『サボりですか?』
「サボりではないよ!だってこうやってちゃんに会いに──」
ガチャン──
太宰の話が終わる前には玄関のドアを閉めた。