第3章 お買い物なう
これを買えば昔はできなかったことができるんだ。
雄英に入ってから、習い事は全部辞めたし。
「ゲームをしてる間、現実の体は寝てる状態になる。いわゆる自由自在に夢を見せて、現実感を体感できるシステム。これがフルダイブシステムだ」
「すごいね!!こんな技術ができたなんて……」
ほしいなぁ、このゲーム機!!
お父さんに追加で3つお願いする。
もちろん、一つは真白ちゃんの!
『どんなゲームなの?』
「ファンタジーゲームらしいよ。ファイター、ヒーラー、アーチャー、マジシャン、シーフ、マーチャントが選べるんだって」
『どの職にするか迷うね~』
「普段戦ってる戦闘スタイルに近い職だろ。俺はファイターだから雛はヒーラーにしろ。基本的に真白とコンビを組んで戦うから前線に出るスタイルじゃねェだろ」
あー、そっか。かっちゃんはただゲームがしたいんじゃなくてトレーニングに使えるから買うのか。
かっちゃんらしいというか、意外と真面目だよね。
「それなら僕もファイターかな」
「あ゛ぁ゛!?真似すんな、デク!!」
「ひぃ!?」
今にでも殴り掛かりそうなかっちゃんに、怯えるいっちゃん。
「かっちゃん、駄目!!」
慌てて二人を引き離す。
『さっきの勇ましさはどこへいったのやら……』
私は頭を抱えてため息が出てしまった。