第3章 お買い物なう
今日は休みだけど、辺りは人人人!!
やけに人が多い気がする。
『本当に何かあるんだね……』
「あー!?これかぁ。オールマイトプロデュースの新作ゲーム機が発売されるんだってさ」
『えっ、いっちゃんは買わなくていいの?』
あんだけオールマイトのグッズを集めてるいっちゃんが走らないなんて……。
驚いていっちゃんを見つめるけど、いっちゃんは別に焦る様子がない。
「うん、ひーちゃんのおじさんの会社で作られたゲームだから、僕は予約したよ」
『かっちゃんが後で怒るやつだ……』
無事に買えたらいいけど、買えなかったら絶対不機嫌になるなぁ。
「はは、確かに……」
この先にことを思ってか、いっちゃんが肩を落とした。
「とりあえず、行こう」
『うん……』
改めてデパートに入ったけど、ゲームが売ってる場所までの看板まで出てる。
一大イベントなんだなぁ。
オールマイトの影響力って凄い!!
しかも、既に列ができてるし。
エスカレーターのほうを見ると、ちょっと先にかっちゃんが並んでた。
『おーい、かっちゃーん!!』
「雛!!来れるか?!」
私はごめんなさい、と周りの人に謝りながら人を押しのけてかっちゃんのほうへと進んで行くと、かっちゃんの横に立って合流完了!
「ちっ、予想以上に人が多かったな。にしてもデク、お前もオールマイトのグッズを集めてんならもっと早い時間に動けよ」
「あ、ひーちゃんの会社のゲームだから僕は予約したんだ」
「はぁっ!?ざけんな、デクの癖して!!」
これは予約が必要だな。
私はスマホを出すとお父さんにメールしようと画面を開いた。
すると、先程のメールの返事がきてる。
どうやら、デスクトップなら渡せるけど、ディスプレイは自分で用意する必要があるとか。
『まぁまぁ、予約する?』
「ったり前だろ。雛もしとけよ」
ん、私??
驚いて顔をあげると、かっちゃんが自分のスマホ画面を見せてくれた。
そこには『新世代オンラインゲーム誕生記念、オールマイトコラボ決定!』と書かれている。
『へー、そんなに凄いゲームなの?』
「あぁ、ようやくフルダイブ式ヴァーチャルリアリティゲームが完成したんだと」
えー!?随分前からヴァーチャルリアリティ(VR)ゲームはあったけど、立体映像を見るだけだったなぁ。