• テキストサイズ

イケメン戦国『永遠の花園』

第1章 初恋は突然に/ピックアップ御礼・記念作品




するとその様子を見た青年が不愉快そうに舌打ちした。


「チッ、なんだよ、あんた男いたのかよ」

「…!」


『男』…ーー

この場合の『男』はオス・メスの『雄』の意味ではなく『彼氏』や『恋人』と同義だ。


「男がいるにしては隙だらけだったけどな。ハハッ」

「…っ」


莉菜さんは下唇を噛んで返答に困ってる。

それもそのはず、俺は莉菜さんの『男』じゃない、れっきとした正真正銘の『友人』だ。

でもこれ以上は…… 黙ってられない。


「莉菜さん、一人にさせて悪かった」

「え…」

「俺が来たからにはもう大丈夫。だから安心して」

「わ!?」


政宗さんの声… とまでは行かないけれど、可能な限りのイケボを心掛けて莉菜さんの腰に手を回す。


「〜〜〜…っ!」


手が触れた瞬間、身体をカチコチに緊張させる莉菜さん。

恋人でもない人間にいきなり腰を抱かれたんだから当然の反応だ。


"トマドワセテ ゴメン"

"イマダケ コイビトノフリサセテ"


心の中でテレパシーを送りながら さらに自分の方へ引き寄せた。


「見ての通り彼女は俺のなので… 諦めて下さい」


最後に青年を見据えてそう宣言すると、


「…ーーふん、お熱いこった。飢えた奴らに引っかからねぇよう、これからはせいぜい気ィつけな。時々ここで見せ物してるから、また仲良く観に来てくれ。じゃあな」


納得した青年は手品道具をまとめ、営業トークを織り交ぜながら爽やかに去っていった。


/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp