第4章 そんな所も好き*
いつもの帰り道。いつもと変わらないはずなのにキラキラ輝いて見えるのは、私の隣に先輩がいるからだ。
まさか家まで送ってくれるなんて思ってなかった。
「…先輩、」
「なんですか」
「あの、今日はわがまま聞いてデートしてもらってすみません」
「昨日はしつこいくらいだったのに急にしおらしいですね」
「いや…送ってまでもらえるなんて思ってなくて」
「一応貴方も女ですしね。俺との帰りに何かあっても困りますし」
一応、一応か。まあ女として見られてることには変わりないから良いだろう
「あ、家ここです」
「そうですか、では」
「はい…」
もう毎日会えなくなるのか。デートしたいなんて言わなきゃ良かった。楽しかったけど。それはもう人生で1番。
「優さん」
「は、い……」
あれ、先輩今
初めて名前呼んでくれた?
「優さんの何を言ってもめげない所、俺は好きですよ」