第2章 任務
____試着室に入ってから三時間。
「お疲れ様でした。中原さまの方でお待ち下さい」
「ありがとうございました…」
試着室を出て、中也のいた方へ向かう。
「お、来たか」
腕を組んで座っている中也の姿をみるとひどく安心した。
「中原さま、お会計を」
「おう」
レジに表示された金額はとんでも無かった。
店を出て速攻、中也に頭を下げてお礼を告げる。
「気にすんな」
「____何で、そこまでしてくれるの」
中也は足を止めて、私の方を見る。
「何でって。そんなの決まってんだろ?」
「…………………」
「相棒だからだ」
夕陽に照らされた中也の笑みが眩しかった。
高鳴る胸。染まる頬。高揚し、締め付けられる心。
「____あ、そだよね。うん、戻ろう」
「俺ァ、財布を首領に返してから帰る。は先に帰れ」
「うん、わかった。あ、服は私が自分で持って行くね」
「おう。じゃあまた後でな」
中也に背を向け、足早にその場を去る。
正確にいえば、無意識に足早になってしまっているのだけど。
中也相手に胸が高鳴ってしまったのは、今回が初めてではない。
けど、今回のは明らかに、違くて。
「ばっかじゃないの」