第2章 任務
「やっと来たか。此奴に似合う服を選んでやってくれ」
「かしこまりました。では、こちらへどうぞ」
二人の店員に促されるがまま、試着室へ入る。
試着室だというのに何故こんなに広いのか、と。
「サイズはsmallとmediumのどちらでしょう?」
「み、ミディアムです」
ミディアムってMサイズのことだよね…………?
というか凄い発音よかった………………。
いつの間にか姿を消していた一人が大量の服が入った箱を持ってくる。
「何色がお好きですか?」
「黒です」
「では黒と、如月さまに似合う色を選別しますね」
様々な色の布を私に合わせ、店員は悩む。
「髪の色と瞳の色が映える色がいいですね。ネイビーとかブラッドとか」
「パステルカラーはどうですか?」
「黄色と白以外なら大丈夫そうです。」
それを聞いて、箱から黄色と白が基調となった服を無造作に抜き、投げる。
そんな高い服を雑に扱って大丈夫なのか____?
「取り敢えず、順番に合わせていきますね」
「あ、はい、お願いします」
色とりどりに変わっていく服。
それを棒立ちで眺める私。
「では、こちらにある服を試着して頂けますか」
横にあるのはダンボール。
先程の三分の一の量にはなっているものの、それでもかなりの量があり全て試着するだけでも骨が折れそうだ。