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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


-○○side-


試合終了後、私達はみんなで抱き合って一回戦突破を喜んだ。
ベンチにいた私達も全員泣いちゃって、さっきまではもう、みんな涙でぐちゃぐちゃだった。

でも、WCはまだまだ続いていく。
二回戦に向けて気を引き締めなきゃ、ってカントク…あ、リコ先輩はもう顔つきが変わってて、さすがだな、って思う。

私は控室で帰り支度をしながら、さっきテツくんが拳を合わせてくれた手を見つめた。
実はさっきから、もう何度もそうやって見ちゃってたりして。

だって…本当に嬉しかった。
拳を合わせてくれたことは前にもあったけど、実際の試合の後で…なんて、これが初めてだったし。
しかもあんなすごい試合をずっと傍で見ていた私は、途中で何度も泣きそうになって、その度に必死に我慢した。

リコ先輩に、まだ泣くのは早い、って言われたせいもあるけど、私自身、最後まで泣きたくないって思ったから。

そして…勝てた。
コートにいる誰一人、最後まで諦めなかった。

(みんな、本当にすごかった)

感嘆…ってこういうことなんだなあ、ってしみじみ感じた、けど。

「さて、そろそろ帰らんなきゃ…なんだけど、ね」

時間は待ってくれない。
いつまでも控室にいるわけにはいかないんだけど。

「ま、もう少しくらい、しょうがないか」

控室の外に出ながら苦笑するリコ先輩に、私も一緒に頷いた。

「ですね」

控室の中では、激戦を終えた五人が束の間の休息に爆睡中。
今起こしちゃうのは、幾らなんでも可哀相だ。

「じゃ、そうね。あと…10分」

それ以上は、さすがにね…というリコ先輩の元、10分後、可哀相だったけど、私達はみんなを無理矢理起こしに掛かった。

でも。

「あ、○○。黒子くんは、もうちょっと寝かせてあげて」
「え?」
「今日の試合で黒子くんは一番消耗しちゃってるから、まだ歩くのもきついはずよ。だから、黒子くんは任せるわね」
「はい?」
「私達は先に帰るから」

こいつらのことは、ちゃーんと連れて帰るから、って言い残すと、リコ先輩は私とテツくんを残して、まだ半分寝ぼけ状態のみんなと一緒に、というより、ほとんど引き摺りながら、部員みんなを連れて帰ってしまった。
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