第2章 水色~黒子~
◆Epilogue◆
苦しい戦いを強いられながらもWC予選を突破した誠凛高校は、WC本選に進出。
そしてその第一戦で桐皇学園と激突、誠凛バスケ部は僅差で勝利し、IH予選での雪辱を果たした。
-桃井side-
負けちゃった……。
でも、良い試合だった。
それに青峰くんのあんな楽しそうな顔見たの、久し振りだったな。
みんなをベンチに迎えながら、私は誠凛ベンチを見た。
そこには、試合前から気がついてた、カントクさんの他の、もう一人の女の子がいる。
誠凛に新しいマネージャーが入ったって情報はもちろん掴んでたけど、それより分かってたのは、あの子が、テツくんの一番大事な子…ってこと。
テツくんの口からは教えてもらえないまま、あれから連絡も取ってないけど、私がちょっと調べればそのくらい、すぐに分かった。
それに…調べなくても、見てたらすぐに分かる。
こういう分かり方って、嫌だけど、でも、分かっちゃうんだよ。
それくらい、テツくんが違うんだもん。
あの子に向ける視線も、仕草も、表情も。
声はさすがに聞こえないけど、きっと、声や台詞だって、あの子に向ける全部が違うんだろうなって、簡単に想像できる。
大事で大事でしょうがないって、ここにいても分かっちゃうくらい。
でもさ。
「やっぱり、大したこと…ないじゃん」
胸だって、誠凛のカントクさんと同じであんまり育ってないみたいだし。
他だって私の方が……。
なんて、考えたってイタイだけだね。
テツくんには、あの子じゃなきゃ、意味ないんだから。
そうはっきり、あの時言われちゃったんだからさ。