第2章 水色~黒子~
「練習中のイチャつきは禁止だろ~~?」
「~~~~~っ!」
びくぅっ!って跳ね上がりながら振り返った、そこにいたのは。
「火神くん……」
私は、カントク…じゃなくて、リコ先輩じゃなかったことにほっとするやら、思いっきり脱力するやら。
でも、その直後には、
「ぅあああああっ!二号をけしかけんじゃねええええええ!」
テツくん…じゃなくて、テツくん二号に追い回される火神くん(そういえば火神くんて犬苦手なんだよね)がいましたとさ(けしかけたのはもちろんテツくん)。
そんな賑やか(?)な部活が終わると、テツくんと二人で帰る時間が待っている。
手を絡めるみたいにつないで(これもまだ慣れないんだけど)、これからも一緒に進んでいく。
「WC予選、もうすぐだね」
「はい。一緒に頑張りましょう」
「うんっ」
選手じゃない私は、コートで一緒に戦うことはできないけど。
そう言ってくれるテツくんの言葉は、すごくあったかい。
嬉しくて自然に顔が緩んでしまった私の手を掴むテツくんの手に、きゅ、って力が篭もる。
思わず隣を見上げれば、テツくんが優しく微笑んでいた。
WC予選も、その先も…ずっと、こうやって歩いていけますように……。
みんなと一緒に、大好きなあなたと一緒に、ずっと……。
End...?