第2章 水色~黒子~
私は熱くなった頬を押さえながら、今日もデータ入力の合間にテーピング練習。
テーピング練習の度に彼を避けてた理由を、今のテツくんはもう知ってる(昨日喋った…というか、白状させられちゃったから)。
その上で、改めて練習台に志願するテツくんから、私が逃げることはもうなかった。
ただやっぱり……。
(触るのとか、恥ずかしいんだよね……)
黒子くんの…腕に直接触る。
もう、それだけでどきどきしちゃうけど。
(ダメダメ!これじゃ練習にならないし!)
それでも、どうしても震えそうになる手が、どうかテツくんにバレませんようにって思うけど、きっと、バレちゃってるんだろうな……。
しかもどきどきしすぎて、いつもより上手くできなくて。
それでも、どうにか最後までできた私は、ふう、って息を吐いた。
(も…顔…熱いよ……)
けど、こういうのにも慣れてかなきゃ。
私、マネージャーだもんね。
恥ずかしいけど、どきどきして、どうしようって思っちゃうけど。
私は深呼吸しながら、テツくんの腕から、顔を上げた。
「はい。できた。時間掛かっちゃって、ごめんね」
言いながら見たそこには……。
「ぁっ…、は、はい。ありがとう、ございます」
顔を赤くして、それから、はにかむみたいに目を細めるテツくんがいた。
「○○が言ってた意味、僕も分かりました」
触れることも…それから。
「○○のその顔…反則です……」
「え……」
「心臓に…悪い、です」
そ、そんなこと、言われても……。
答えに困る私だったけど。