第2章 水色~黒子~
思わず顔を上げたら、そこでは黒子くんが拳で口を隠してたけど、笑ってるのが分かった。
「~~~~~っ!」
引かれたとか呆れられたとかっていうより、これってもしかして、馬鹿だと思われたかも。
自分でも変なこと言った自覚はあるんだけど…けど。
(う~~~~っ!)
私は顔中が熱くなるのを感じながら、わたわたと(私的にはこれでも必死に普通っぽく振舞ってるつもりで)椅子を元の位置に
戻して、黒子くんから距離を取った。
「△△さん?」
けど黒子くんはきょとんとして。
それから。
「顔が…あ……」
『顔が赤い』って言いたいのは分かってるから~~~っ。
「な、何でもないからっ」
「でも……」
「平気だから!」
とにかくもう、これ以上言われたら立ち直れなくなりそうだから、何も言わないで、黒子くん!
私はもう、頭が限界いっぱいいっぱいだった。
(きょ、今日は…もう、ダメ……)
いっそぱったり倒れちゃいたいけど、そんなことできっこない。
それにもしこれ以上何か(変なこと)口走って、黒子くんに完全に引かれたら嫌だ。
だって黒子くんとは、これからも一緒に図書委員をしてかなきゃいけないし、それに…せっかく黒子くんとは普通に話せるようになってきたのに。
それが駄目になるのは、私は…嫌だった。
だから……。
「あ、あの、私、あっちで本の整理してくるね!」
言いながら、私は返却済の本を抱えてカウンターの外に出た。