第2章 水色~黒子~
(あ、そっか)
私は、今更だけど、黒子くんがバスケ部だったのを思い出した。
確かにバスケをするなら、もっと身長が欲しいとか思っちゃうものかもしれない。
バスケ部の練習を見たことあるけど、そういえば、背が高い人が多かったような気がするし。
でも……。
(でも、さ……)
ふと浮かんだ気持ちのまま、私は黒子くんを見上げた。
「でも、黒子くんは私を助けてくれたよ」
「△△さん?」
「私、背が低いから、黒子くんみたいにそんなところまで手が届かないし。私だけだったら、絶対本に潰されてたよ」
そこまで言っちゃってから、私は黒子くんが無言でこっちを見下ろしたままなのに気づいた。
(ぅあっ……!?)
私、変なこと言っちゃったかも。
って思ったって、もう取り消せないし。
「あ、あああ、あの、えっと、その。そ、そもそも、私が棚にぶつかりそうにならなかったら、こんなことにならなかったっていうのはちゃんと分かってるんだよ? 私が、だから…その…っ、で、でも、黒子くんが…っ」
ああ、私…何を言ってるんだろう。
自分でも分かんない…っていうか、ほとんど自爆してる気がする。
もうこのまま逃げちゃいたい気分……。
私は頭を抱えて自分の足元を見た。
黒子くんもきっと呆れてるんだろうな(引いてるかも?)って思ったら。
「…ぷっ」
(ん……?)
今、上から吹き出すみたいな音がした…ような?