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道の交わる時

第3章 探偵達の夜想曲


樫塚の家は、就職浪人にしては豪華な家だった。
それを指摘すると樫塚は恥ずかしそうに、兄と一緒に住んでいるからだと言った。
「あの、もう結構ですよ、誰が尾けている気配もないですし...」
扉の前で樫塚はそう言った。
すると、コナンが言った。
「おしっこー!ねえ、お姉さん、トイレ貸して!おしっこ漏れちゃう!」
「え、えぇ...」
コナンの剣幕に驚いた樫塚は家のドアを開けた。すると、コナンはするりと中に入って行った。
「あの、実は自分も我慢していまして...」
「あ、俺も」
安室と小五郎の言葉により、一行は、樫塚の家に寄ることとなった。
3人の後に続いて中に入った時、は異常な匂いに気づいた。何かが腐敗したような、どこかで嗅いだことのある匂い。
その正体に気づいた時、は戦慄した。
「どうしました?」
その時、上から声が降って来た。
声の主は安室だったらしい。
「え?」
「さん、僕の服の裾を掴んでいたので...」
慌てて手を見ると、たしかにの手は安室の上着の裾を掴んでいた。
「あ、すみません!」
は慌てて手を離した。
すると、それを見ていた安室は徐にの頭に手を置いた。
「ん?あの...?」
意図を測りかねているに、ひとしきり頭を撫で終えた安室が言った。
「大丈夫ですよ」
そして、中へと入って行った。

は一人、頭を捻っていた。

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