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道の交わる時

第3章 探偵達の夜想曲


所持品の数々がテーブルに並んだ。

小銭や千円札がたしかに大量にあった。
携帯電話も普通の物で特におかしな点はない。

また、高木によると、男の側には濡れたタオルが入っていたらしい。2枚のタオルは先端が濡れていたらしい。
「そういえば、靴ひもの先端に結び目があったが」
目暮の疑問に樫塚が答えた。
「あれは、靴を洗った時に干しやすいようにしていたんです。兄から教えてもらって。まぁ、ブーツは洗いませんけど。でも、その兄ももう...」
そう言って涙ぐんだ樫塚を見て小五郎が言った。
「目暮殿、樫塚さんもこんな状態ですし、今日のところは...」
「うん、そうだな。では樫塚さん、後日、改めて事情聴取を行いますので、氏名と住所をお願いできますかな?」
「はい、わかりました。大学を出たばかりの就職浪人なので、名刺はないのですが...」
「構いませんよ、ではここに書いていただいて...」


安室は樫塚を助手席に座らせ、車を走らせていた。
自ら送ると言い出したのである。
安室は樫塚を注意深く観察した後、後部座席に目を向けた。
そこには言い合いをしている蘭と小五郎、その間に座っているとその膝の上にコナンがいた。
「すみません、この車、後ろに3人も乗せる構造になってなくて...」
安室がすまなさそうに謝ると、蘭がいいえ、そんな!と言った。
安室がコナンに目をやると、コナンはじっと考え込んでいた。そして、もまた、何やら考えていた。

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