第24章 宿泊研修
「いた……」
崖下に倒れている大鷲を見つけた僕は懐中電灯を口にくわえ、ゆっくりと崖を下っていく
「おい、大鷲!………息はしてる…頭でも打ったか……」
倒れている大鷲を抱き上げればその場に座り込み息の確認をする、落ちた際に頭を強く打ったんだろう、気を失っているようだった
クソ……僕が大鷲と2人で行っていれば
こんな事になってなかった
「ごめん—————」
意識が戻らない大鷲をギュッと抱きしめたと同時に初めて大鷲のことを名前で呼んだ
ふと、僕は昨日のある出来事を思い出した
—-—————月島回想———————
大鷲が救護室に行っている時だった
あかり「ねぇちょっと………」
同じ班の高橋あかりが話しかけてきた
月島「何?…………」
あかり「話あんだけどさ、ちょっとこっち……」
そう言ったあかりは月島の服の袖を引っ張って人気の無いところに連れて言った
月島「ちょっと……話って何?僕コレ片付けなきゃならないんだけど」
そう言った月島の手には食材の入った袋がぶら下がっていた
あかり「直球に言うね、私、あんたの方好き…」
月島「はっ?………」
いきなりすぎて戸惑った月島、目を見開きあかりの方を見る
あかり「で、月島は?」
月島「で?って……僕君と大した話したことないし」
一応同じクラスのあかりだか、あまり月島とは話したことがなく、今回同じ班になってやっとまともに話した感じだ
あかり「私、綺麗だし頭もいいし、煩くないし、月島君のタイプだと思うんだけど」
月島「……………………」
確かに、頭の悪いやつとうるさいのは嫌いだ
あかり「それとも—————好きな人他にいるの?」
月島「…………」
あかり「…………大鷲、でしょ?」
月島「はあ?!……あいつは男だよ?僕が男好きな変な奴に見えるわけ?」
彼女が女だってバレないように、軽くフォローを入れる
あかり「………いいよ、隠さなくて、私あの子が女の子だって知ってるから………家柄、人の秘密とかすぐ見破ることができるの」
月島「探偵か何かなわけ?」
あかり「まぁ、そんなことはどうでもよくて……