第1章 秘密のキスはアナタと ( 大神万理 ・2018生誕 )
❁❁❁ 愛聖side ❁❁❁
三「ヤバい!予定より早く万理さんがここに来るぞ!」
万理からの電話のあと、三月さんが声を上げ慌ただしくみんなが動き出す。
百「マジで?!オレ急いでユキ起こさなきゃ!!」
千「···そうね」
百「って、起きてんのかーい!」
千「さっき、愛聖に叩き起された···」
寮に戻ってすぐに千を起こしといてよかった···
大「それよりドラマ班は、打ち合わせ通り配置に!他はイチ、指示出し頼む」
バタバタとみんなが動き出し、それぞれの心の準備が出来た頃···玄関から万理の声と、それに対応する逢坂さんの声が聞こえて来た。
万「壮五くん、愛聖はいまどこ?」
壮「愛聖さんなら今、彼女の部屋にいますけど···来客中です」
万「来客中?ここは寮なのに、誰が来てるの?」
壮「それが···その···」
話し声が少しずつ近くなり、2種類の足音が私の部屋の前で止まった。
万「俺には言えないような人間?」
壮「いえ、そうじゃなくて···人払いを頼まれてるので」
万「人払い?···ごめん壮五くん、そこ退いて」
ガタン、と音がして万理がドアを開けるかも知れない···と様子を伺う。
大「誰かと思ったら万理さんか···ソウ、ここは俺が代わるから行っていいぞ」
壮「お願いします、大和さん···」
控えめな足音が遠ざかり、恐らく二階堂さんがドアの前に立ちはだかる気配がする。
···と言うか、それも打ち合わせ通りなんだけどね。
万「大和くん、取り急ぎ愛聖と話がしたいんだ」
大「でも今は来客中だってソウから聞かなかった?···そんなに急用?」
万「···急用。客人には俺が説明して納得して貰うから迷惑はかけない」
説明して、納得···
『千、説明されて納得出来そう?』
千「出来ない」
楽しそうにフフッと笑う千を見て、相当楽しんでるなと苦笑が漏れる。
大「説明して納得、ねぇ。相手はなかなか手強いけど、いいの?なんせ俺らも片っ端から突破されてっから···いやぁ、参る参るって」
万「大和くん···部屋の中には、誰がいるの」
大「それは答えられないなぁ···ま、ヒントだけあげるよ。今をときめくトップアイドルの···万理さんもよく知る人物ってトコかな」