第2章 甘蜜
乱歩「美雪……。」
美雪「ね?乱歩さん……だから……」
乱歩「分かった。そんな夢みたいな話を嬉しそうに語れるなんて、本当に君は莫迦だと思うけど……」
そこまで言った乱歩は、はたと気づいた。
美雪が寝ている。スースーと小気味よく呼吸を繰り返しながら。人の話の途中で。寝コケている。
乱歩「はぁ……人の話は最後までちゃんと聞きなよ莫迦」
美雪に布団を掛けながら独りごちる。
前髪を掻き分け、その額にキスを落とす。
乱歩「夢みたいな話だけど、僕も悪くないと思ったよ。君と、子供と、一緒に暮らすっていうその未来が。……武装探偵社ならやれる……か。」
乱歩も美雪の隣に寝転がって目を閉じる。
乱歩「君との幸せな未来のためなら、なんだってするよ……だって僕は……名探偵……だからね……」
それだけを言うと、乱歩も夢の中へと落ちていった。
〜完〜