第32章 I am making my mind
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ー数日前ー
「くるみ……何でだ」
弔がわなわなと唇を震わせる。
そのカサついた唇のはじには少量の血痕が固まりかけていた
番になろうと、首元を噛むつもりだった
だが、
くるみは首筋を庇った両の手をゆっくりと下ろしながら、死柄木を見つめる。
何色ともわからない瞳は、その感情を読み解くことが出来ない……
くるみは自身から、死柄木を抜くと、衣類を整え
床に伏す爆豪の前まで歩み寄り、膝を付いた。
『爆豪…くん…』
「くるみ…」
目の前で番になられるという、精神的苦痛が大きかったのか
胃液を嘔吐した爆豪の、死にかけた瞳がくるみを救いを求めるように見上げる
くるみは噛み跡のついた手で、救済するかのように爆豪の手を掬い握った…。