第8章 冬に半袖は風邪を引く トド松 途中からトド松side
この部屋見てるとナス子姉の普段の素行や思ってることが透けて見えるよね。
・・・げっ、下着までそのままー?!
危機感というか女子力というか、ほんっとそういうの皆無だよねこの人!
男のぼくを家に呼んでおきながら普通目のつく場所に下着とかおいてたりする!?
あぁ、でも意識してないから気にしてないのか。
僕もナス子姉の下着を見たところでなんとも思わないんだけどね。
なんていうんだろ、あれだね。母親の下着見ちゃった時のあの、なんともいえない感じ?そういう感じがするよね。うん。
それにしても、もう少し女の子らしい可愛い下着着ればいいのに、ダサイなぁ、あれ・・・。
奥の部屋まで入ると、やっぱりナス子姉は寝ていた。
寒かったのか体に力が入ってて、固く布団の中にまるまっているようだ。
顔は見えない。
「ナス子姉、ナス子姉?」
布団を少しずらして顔を出させる。
こちらの動きに気づかずスゥスゥと鼻を鳴らして寝ている。
試しにおデコに手を当てて見ると、やっぱり熱い。
熱、結構高いかな、これ。
「昔っから体弱いよなぁ」
持ってきた冷えピタを開けて姉さんのおデコにペタリと貼った。
「うひっ、つべたっ!」
「あ、起きた?」
ヒヤリとした冷たさに反応したのか、一瞬目を瞑ったまま目をしかめたが虚ろに目が開いた。
見るからにボーっとした意識でぼくを見ているようだ。
「・・・・・・あ、トド松。私寝ちゃってたのか、ごめん~」
「いいよ、別に。でも家の鍵開けっぱなしだったよ?ぼくが来たから良かったものの、施錠ぐらいちゃんとしておかないとダメだよ」
あ、結局注意しちゃった。でもこれは言っておいた方が姉さんの為だもんね、うん。
「あー・・・そうだ。部屋帰ってそのまま何も考えず布団入って、とにかく誰かに助け求めようとして・・・ごめんよ」
誰かに助けを求めようとして、一番最初に僕に助けを求めたというのはちょっと気分がいい。
僕って頼られてるって事だよね!
さすが、姉さん!他の兄さん達よりぼくが一番適任だってわかってるぅ~