第1章 YOURNAME【明智光秀】 【R18】
日光にさらされるときらきら光る銀髪に、黄金色の虹彩。
“興味がないから同じものを複数買いしている”っていう黒いトップスと白スキニーですら、わざとシンプルに見せているかのように見える“その人”は、キャンパスの中庭のベンチにPCを膝に乗せて座りながら、“いつも”のように仕事に没頭していた。
≪それにしても……本当にかっこいいとこうなるんだ≫
“学校一のイケメン”とか“町内一のイケメン”は今までの人生でも接したことがある。
そういう人の周りには必ず男女かかわらず人がいるから“イケメンの周りには人が集まるものだ”と勝手に思っていた。
でもその人は違う。
ただ仕事をしているだけなのに、周りには人が寄らない。
というより、1mぐらい離れたところからこぞって人が見ている感じ……。
政宗とはちょっと違って特徴的なタイプのイケメンなのもあるかもしれないけど……たしかに神々しくて近寄れないな……。
そのとき、たまたまPCから目を外したその人と……目が合った。
その人はじっと私から目を逸らさず、しばらくすると何かを確信したようにPCを畳んでこちらのほうに歩いてくる。
人波はその人が歩く道をサーっと避けていき、ついにその人は私の目の前に止まった。
そしてその人はすっと私の左手をとって手首を確認すると、わずかに目じりを下げてほほ笑みながらこう言った。
「……調査に付き合ってもらおうか。」