第19章 ※特別な休みはお前のせい?
その魅力に気付かなかったコイツの親や、周りのヤツ等は損している。
そう思ったが、いや、と思い直した。
俺だけが見つけたのなら、その方がいい。
反論するのをやめて黙り込んだ彼女を抱き締めながら、黙ってただ、髪に触れる。
軽く掬い上げて、はらはらと落とす。
僅かな月明かりを浴びて艶めくその様子は、とても魅力的だった。
このままずっと、撫でていてぇな。
そんな気持ちに区切りを付けて、彼女を解放し、俺は宿舎内の風呂場へと向かった。
熱いお湯と共に脳裏に浮かぶのは、美咲の上気した顔。
甘い夜と、激しい熱。
それだけで溜息が出そうになっちまうくらい、幸福感で満たされる。
スッキリした気分で再び美咲の部屋に戻るが、光る鉱石は布に覆われて暗いままだった。
ベッドまで歩いていき、微睡んでいた彼女を揺り起こす。
「風呂入って来いよ。飯の続きやるぞ。余っちまったら飯勿体ねぇだろ。」
「……ん。」
力なく頷いた美咲が、よろよろと起き上がっで布団の中で着替えを始める。
何度『散々見た後だ』と言ってやっても、彼女は頑なに俺に肌を見せるのを拒んでいた。
美咲の背後姿と共に閉まった扉を確認してから、俺は机に残っている食料の整理を始めた。
ただ待っているのも手持ち無沙汰で、まだ瓶に残っているミルクを取り出す。
乾いた喉を通り抜けていく水とは違う、甘くて滑らかな感覚が、身体中に染み渡るようだ。