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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第19章 ※特別な休みはお前のせい?





「……ちょっと、」

「ん、どうした?」

「頭……なんか、恥ずかしい。」



そう言って俯く彼女に、俺は聞き返す。

もちろん、手は止めずに。



「何が恥ずかしいんだよ。」

「だって……、」



もごもご口ごもる美咲は、唇を尖らせて答えた。



「頭撫でられるなんて……子供の頃みたい。」



視線を外したままでそう言った彼女の顔は、ほんのり上気している。

俺から逃げたいのか、それとも……



これは……、照れてる、と、解釈すればいいのか?



居心地悪そうにしているわりに、本気で拒否はしない。

やめてやろう、っつー事なんてカケラも思っちゃいねぇが、そういうリアクションをされると、俺としてはもっとそんな顔が見たくなるのは当然、だろ。



「はぁー……なるほど、な。」



呟いて、美咲の身体を強く引き寄せた。

俺の胸に押し付けるように、ぐっと。



「や、ちょっと……、」



戸惑う声にも怯まず、逃れようとする彼女を捕まえ、ぎゅうっと強く抱き締めた。



逃がさねぇ、絶対に。



……そんな意思を込めて。



ゆるゆると髪を撫でていた、ら。



「……勿体ねぇな。」

「へ?」



美咲の間の抜けた声で、自分の心の声が漏れていた事に気付く。

言いたくはなかったが、こうなっちまったら仕方がねぇ。



俺は出来るだけ何でもない風を装って、『もったいない』理由を紡いだ。



「お前の親、さ……損してる。」

「な、にが……?」



また眉を寄せた美咲の頭の形を確認するように、その心地いい髪をするりと撫でた。

さっきの彼女の物言いだと、多分髪を撫でられる行為は久しかったに違いない。

5年前、壁が破壊されるよりも、きっと前の事だろう。



「こんなに綺麗で気持ちいいのにな。お前の髪。」



そこらの娼婦や、酒屋の女がしているような、化粧が施せる顔とは違い、素のままでしかいられない髪。

だからこそ、髪質がよく分かる。

どんな手入れをしているのか、男の俺にはサッパリ分からねぇが。



この長さの髪を綺麗に保つのに、どのくらいの労力を必要としているのか疑問に思えるほど、美咲の髪は柔らかくて、気持ちが良かった。




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