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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第16章 小さなシアワセ雨のせい?





俺の発言に、目を白黒させた美咲に顔を寄せ、耳元で囁く。

淡く、甘く、響くように。



「文句なんか、言えねぇようにしてやるぞ?」

「ッ……ば、バカ!」



言うが早いか、飛んできた平手を躱す。

当たらなかった事がそんなに悔しいのか、美咲は俺を見上げるようにして睨んできた。



へぇ。

その顔も……挑発的で中々いいな。



そんな事を思っていたら、美咲が唇を噛み締めてから、小さな声で尋ねてくる。



「……いつ、戻るの?」

「ん?もうちょいしてから。」

「……そう。じゃ、お風呂行ってくる。戻るなら、誰にも見られないようにしてね。」



言い残してふいっと踵を返し、部屋を出て行こうとする美咲。

怒りはまだ消化しきれていないだろうに、冷静さを滲ませる彼女の態度が、妙に可愛い。



突然切り替えられた雰囲気に、苦笑しながらも、俺はその背中に声を投げる。



「りょーかい、美咲さん。」



からかったように聞こえるであろう、そんな台詞を残し。



パタン。

美咲が部屋から出て行った。



降り続く雨の音が、何故だか今日は、楽しく耳に入る。

コップの中の水を一口飲み、呟いた。



「……やっぱ、好きだな。あいつ。」



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