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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第13章 私の誤解と憧れのあの人






目の前に座るリヴァイ兵長は普段通り。

私だけが、明らかにおかしい。



そんな事をボーッ通り考えながは、リヴァイ兵長が持っている、目の前の資料の事に集中しようと心掛けた。



「……ほぅ。悪くねぇが、槍とはまた斬新な考えだな。」

「ええ。ハンジさんの要望は通っているとお聞きしましたので、後はエルヴィン団長のサインだけです。」


リヴァイ兵長の持つ資料を見るから、自然と私の視線は、その綺麗な手に魅入ってしまう。



……少しだけ男性にしたら小さい手だけど、やっぱり綺麗だな。

なのにゴツゴツしてて、男の人、って感じ。



ぼんやり、そんな事を思うと、何故か泣きそうになった。

届かない距離を実感しての事だったけど、気付くのは、もっともっとずっと、後の事だった。



「じゃぁ、これは明日にでもエルヴィンに渡しておく」

「はい。ありがとうございます。」



手元の資料を整えるリヴァイ兵長に、軽く頭を下げる。
纏まった資料を団長机に置いたリヴァイ兵長を見守ってから、私は席を立ち上がった。



「お前……大丈夫だったか?」

「え、と、さすがに少し疲れました。」



そうに言った私にリヴァイ兵長は私を見る。

その視線から逃れるべく、締め切っていた団長室のドアを開ける。



私は、そのまま団長室を後にした。



光る鉱石のお陰で、廊下は明るい。



……リヴァイ兵長は普通だった。

私だけが、明らかに、おかしかった、



廊下をゆっくりと進みながら、そんな事実が心に重くのしかかる。

キュッと唇を噛んで、胸の痛みに耐えた。



やっぱりリヴァイ兵長にとって、私は一介の兵士にすぎない。
リヴァイ兵長にとって、何でもなかったんだ。

私が勝手に期待して、顔を見せにすら来ないとか、変に気にしちゃっただけだ。



図が高いというか、なんというか。

……恥ずかしい。



私の心の内まで、リヴァイ兵長が知るはずないのに。

バカな期待をした自分が恥ずかしくていたたまれなかった。



顔が、勝手に歪む。
泣き出す準備をしているみたいだ。



それさえ悔しくて、私は何かに耐えるように、足を前へと踏み出した。



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