• テキストサイズ

【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第10章 揺れた瞳はダレのせい?





グルグルと回りに回って、纏まってくれない俺の思考に飛び込んで来たのは、美咲の柔らかい声だった。



「……ありがと。」



まさかの言葉に驚いて、一瞬何を言われたのか分からなかった。

たった一言なのに。



……けど、美咲の柔らかい表情が伝えてくる。

嘘偽りのない気持ちだって、そう思える。



俺の頬は自然と緩み、笑みが溢れた。

美咲の言葉ひとつで、こんなにも心が満たされていく。



俺が笑うと、美咲も笑う。

お互いに少し照れたような、なんとも言えない、くすぐったい空気が流れて。



それは、これまでにない変化だと気付きながらも、口には出さなかった。



もう少し、この、ふわふわとした高揚感を、味わっていたかった。



そして、笑い合いながら話して、先にウトウトして来たのは美咲の方で。



当然と言えば当然だ。
俺とは精神的な疲労感が違う。



俺の肩に頭を乗せ、今にも目を閉じてしまいそうだった彼女に、そっと囁く。



「……おい。ここで寝るなよ。ちゃんと横にならねぇと、疲れ取れねぇぞ。」

「ん……。」



唸った美咲はもう、瞼を上げる気配もない。
放っておけば、確実にこのまま寝てしまう。



「……ったく。」



大人びてるような、子供のような。
まだまだガキだな、コイツ。

呆れたように息を吐いた俺は、落ちる寸前の彼女の身体をソッと起こし、ベッドに横たえる。



/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp