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【進撃の巨人】愛を込めて花束を(R18)

第10章 揺れた瞳はダレのせい?






普通に。
正直に言えば、美咲の為に何かしてやりたかった。

この部屋に来て、お前と過ごしたかったから、もある。



……だが、そんな答えが何になる?



また、「は?」なんて言われたら、立ち直れる自信がねぇ。

さっき、少しだけ開いたはずの心の扉が、また閉じてしまったら元も子もない事も、十分躊躇する理由の一つ。



どう答えれば、お前の心に届くんだ?

正解があるなら……教えてくれよ。



あまりに長く考えていても、怪しまれるだけだろう。



俺は一口、水を飲んで、美咲に向き直り。



「なーんか、大変そうだったからなぁ。ハンジさんの手伝いなんかよぉ。任務中に聞いてもお前、絶対に弱音なんか吐かねぇだろ。」



そう呟いて、彼女の様子を探った。

一瞬だけまた、僅かに目が見開かれた気がする。



……分かったような事言うな、とか、言うなよ?

俺の読みは多分、間違ってねぇだろ?



弱気になりそうな自分を奮い立たせ、彼女の頭に再び、そっと触れた。



「……ちょっと気になったんだよ。」



最後は照れ隠しに近い。

いや、むしろかなり恥ずかしい。

何言っちまってんだ、俺は。



ちゃんと労ってやりたいのに、上手くやれない自分がもどかしい。



あーあ。
マジで、柄にもねぇ事やってんなぁ。

どっちかっつーと、自分の事しか考えてねぇような、そんな人間だと周りから思われてる自信もあるくれぇなのに。



もう今更、撤回もやり直しも出来ないのに、本当にこれで良かったのか?なんて気持ちが、腹の辺りでグルグル回っている。

マジで、ダセェ。



自分で自分が信じられない。



ただ……

素直な感情を纏った言葉は、“ただの同期”よりも、踏み込んだ距離を匂わせた。

俺だから言える事だと、思って欲しくて。



美咲がそんな深読みをしてくれるとは、期待しちゃいねぇが、それでもいい。



……気になってんだ。

お前の事が。

いつだって。

お前の側にいて、誰よりも敏感に、その変化に気付いてやりたいと、思ってるんだ。



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