第1章 【海堂悲恋】結局君が、大好きで…
桃城Side
((俺も辛いし、マムシ、お前も辛いだろうよ。
けど、もっと辛いやつもいるぜ。
明日の放課後、部活の前に屋上に行ってみろ))
あーぁ…
なんで昨日あんなこと言っちまったんだかなぁ…
お人よしにも程があるぜ。
結菜の気持ちが分からなくて、
不安で不安で仕方ねぇのに…
とられちまうかもしれねぇのに。
でもよ、あんな結菜の姿見るくらいなら、海堂に素直になってもらったほうが気が楽になるもんでね。
俺は、涙を堪えて、気持ちとは裏腹に晴れ渡っている空を見上げて目を細めた。