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君と並んで歩く未来

第1章 果てなき荒野


冷蔵庫にあった肉が全部踏みつけられていた

呆然としていた二人だが、正気に戻ったのかバッと駆け出し中の様子を確認し始めた

「(空き巣?でも踏みつけられているのは肉だけだし……そもそも空き巣がわざわざ肉を踏みつける?!)」
瀬凪は冷静に考えていた。レジを確認すればお金には手をつけられていない。つまり空き巣ではないということ

創真はなにかに気づいたのか店の表に出た。続いて瀬凪も外に出てみれば___

「なん…てこと…」
呆然と真っ白に塗り潰された『ゆきひら』の文字を見上げた

そんな二人にわざとらしい聞いたことのある声が聞こえてきた
「あらぁ~?昨日より景観が整って見えるわねぇ~?」

瀬凪が後ろを振り向く

「目障りな看板が隠れたからかしら?」
その言葉に瀬凪は全てを悟った。この女が犯人だと
「……あ~なんだか肉が食べたい気分だわ~」
わざとらしく言う峰ヶ崎
「私がいつも六本木で食べてる霜降りステーキは最高なのよね~」
店の引き戸を開け中に歩みを進める彼女に冷たく張りつめた視線を投げかける瀬凪。だが女はその視線に気づかない
「ジューシィーな肉汁が口の中に溢れ出してくるの」
椅子に腰掛けちょうはつ的な視線を二人に投げかける
「ねぇ、ボク達?一品作ってよ。とびきりジュ~シィ~な肉料理を!」
その言葉に、視線に二人は反応しない。だが、溢れ出るのは怒りのオーラ
「…あら?まさか、ねぇ?作れないの?客がお肉を望んでいるわよ?」
その怒りのオーラにすら気づかない峰ヶ崎と周りは嘲笑を浮かべながら言葉を続けた。続けてしまった
「出せないの~!?ボク達昨日言ったわよね。料理を出せなかったら廃業するって!看板もスッキリしたことだし丁度いいわ!お店自体もスッキリたたむことね。アハハハハ」
高笑いする峰ヶ崎に顔をゆっくりと上げた瀬凪。隣では創真が静かに息を吐き出している。それはまるで爆発寸前の怒りを冷静になるために無理矢理吐き出しているかのようだった
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