第10章 11月『王子様の超越』
「俺、今までお前の事女子に
人気すぎてムカつくって思ってたけど、
……B6はB6で大変なんだな。」
「……まぁ……僕にも問題はあるし……。」
「でもあんなに詰め寄られたら
俺でもトラウマになるなって思ったよ。
あんなの何回も体験してるんだろ?
凄いな。」
「………そう言ってもらえると…、
ありがたいけど…。」
坂下以外の同級生と話すのは久しぶりで
ボソボソと小声になってしまう。
ただ、そんな僕に男子生徒は寛容的だった。
「他の奴等も、皆、お前の事心配してたんだ。
今日、来てくれて良かったよ。」
「……流石に、今日は来るよ……。」
「はは、サボり魔のお前でも
そう思うなら大丈夫だな。
じゃ、今日は頑張ってくれよ?
……ClassAの王子様っ」
肩をポンポンと叩いて、
男子生徒は笑った。
励ましてくれてる…のかな。
……他のクラスメイトも、
僕を見てヒソヒソ話すこともなく
文化祭の最終打ち合わせをしている。
「……なんか……変だ。」
少しだけ変わったクラスの
雰囲気には慣れる事は出来ず。
真田先生が来るまで、
僕の心はふわふわとして落ち着かなかった。