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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第4章 思い


「飯は?食ってねぇんだろ?」

「え、あぁ、まぁ……」


優しさに甘えさせて貰う事にして医局長室のソファーに腰を下ろすと
シュライヤは備え付けの冷蔵庫からプラスチックの容器を取り出すと、それをレンジで温め始めた。


「オムライスでいいか?」

「まじで!?全然大好きです!!」


思わず身を乗り出して喜んでしまったナツの様子に、シュライヤは目を細めてそれは良かったと微笑んだ。

匿って貰っておいて昼食までご馳走になるとは
本当に何から何まで申し訳ない。

がしかし、漂ってくる食欲をそそる匂いに
勝てる気がしない。



ん?



待てよ……、この匂いは……



「ほら、熱いから気をつけろよ」

「シュライヤ先生、これはオムライスではなくオムハヤシです」


真顔でそう指摘するナツに、シュライヤは怯んだ。

一般的にはオムハヤシをオムライスと呼ぼうがどうでも良いことなのかもしれない。
しかし、ナツにとってそれは己のアイデンティティーに関わる最重要事項だ。


「ハヤシライスが嫌いなのか?面倒臭ぇな」

「いや、好きですけど!!」


心の中で益々分からねぇと突っ込みを入れつつ立ち尽くすシュライヤを尻目に
ナツは両手を合わせていただきますと食前の挨拶をすると
何事もなかったかのようにオムハヤシを食べ始めた。



「これ、超美味しいですね!どこのですか?」

「デパ地下のデリが配達で偶に持ってきてな、これはそこのだ。っていうか文句言うだけ言って食うのかよ。」


美味しそうにオムハヤシを食べるナツを、穏やかな表情で眺めるシュライヤ。

少し変わったヤツだと思ってはいたものの、やはり彼女の奇抜な行いは想像の範囲を越えてくる。

看護師達に目の敵にされているこの受付事務の彼女を、なぜか放っておけない。

シュライヤは二人分のお茶を手にナツの向かい側のソファーに腰を下ろすと、片方を彼女の前に置いた。

その後二人は、オムライスとハヤシライスとオムハヤシについての持論を
昼休みが終わるギリギリまで、話し続けた。


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