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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第3章 訪問者




「……なにしてんだ?」


ナツがもうダメだと諦めかけたその時、特別室に聞き覚えのある声が響き渡る。


「シュ、シュライヤ医局長!?」


看護師達はナツを解放し、慌てながら必死で言い訳を述べている。


「……食事を!!この子が食べないって駄々を捏ねるもので……。食べないと治るものも治りませんし!!」


その手に持っている残飯はどう説明する気だ。

ナツはこの期に及んでシュライヤの前では良い顔をしようとする彼女達に、心の底からため息を付いた。


「院長に、報告が必要か?」


シュライヤが普段より低い声でそう問いかけると、今度は責任を擦り付け合う彼女達。
収拾も付かなければ素直に反省するつもりもなさそうな看護師達に、シュライヤは次はないと一言だけ告げ彼女達を部屋から追い出した。

嵐の後の静けさに、ナツは安堵の息を付く。
人より強いとは言え、大人数に上から関節を押さえつけられれば
流石のナツも敵わない。

シュライヤが近づいて来る気配を感じて、ナツはベットに座り直す。

彼はいい人だ。危害を加えてくることもないだろう。
しかしこうも真剣に見舞うつもりのなさそうな来客が続くと、入院患者としてどう反応するのが普通なのか分からなくなる。


「また助けて頂いちゃって、ありがとうございます」


取り合えずお礼だ。
本当に助かった。
気にするなとこちらに歩み寄るシュライヤは、以前そう言ってくれた時の顔と同じような
困ったような優しい笑顔を浮かべていた。

彼はどうやら、食事を持ってきてくれたようだ。

ベットサイドのテーブルに置かれたそれを覗きこむと、そこにはカレーライスとサラダがちゃんと食べ物の形を成した状態で並んでいる。


「昼飯まだだろ?どうせ誰も持って行かないだろうと思って」


食えよ、と肩を竦ませてトレーに目を向けるシュライヤ。


「あ、ありがとうございます!」


感動。
いや、感激?

あんな事件の直後とは言え、ナツはお腹が減っていた。

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