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Pink*Flower Blossom〖R18〗

第8章 ♡その想いは甘く優しく、そして我が儘で


めるが困ったように瞳を泳がせると、
雪臣ははっと1回瞬きをして
顔を逸らした。


『.........ごめん。
...詮索しちゃったね。
......ごめんなさい、気にしないで。』


そのまま、ふいっと体を翻し、
雪臣が歩いて行ってしまう。

そんな彼を見て、
めるはとっさにその手を掴んでそれを止めた。


「あ...!雪臣さん...!
待ってください...!」


『......っ!
...な、なに......?』


「あ......っ、ご、ごめんなさい!!」


すぐに掴んだ手を振りほどかれ、
少しだけ驚いたような表情で
雪臣が振り返る。

そのいつもとほんの少しだけ違う彼の表情を見て、
めるは自分がしてしまったことの大きさに気づき
急いで頭を下げ謝罪した。


「ほ、本当に...すみませんでした...!
つ、つい...!
その、本当に、ごめんなさい...!」


『あ...いや......
こちらこそ、びっくりして...
ごめん。咄嗟に手離しちゃったけど、
...大丈夫?......どこかぶつけたりとか...』


「全っ然!なんともないです...!
本当に申し訳ございませんでした...!」


『......う、うん...。
............それで?』


「え......?」


雪臣の美しい瞳が
真っ直ぐこちらをみつめてくる。


『......?
止めたってことは、なにか言うことがあったのかと思ったんだけど...あれ?違った...?』


「......あ...!
い、いえ......その...」


『......?』


「ご、ごめんなさい...
なにか言うことがあったわけではなかったのですが...
なんだか、雪臣さんが寂しそうに見えたので、つい呼び止めてしまって......て...あ!
こ、これも失礼ですよね...!
あ、えっと、ほ、本当に、すみません...!」


ぺこりと頭を下げて、
今度はめるの方が、
その場を後にしようと慌てて後ろを振り向く。


「っ...!きゃあ!」


すると、ぐいっと後ろ手を引かれ
そのまま後ろに転びそうになったところを、
ぽすん、と軽い感触が背後を支えた。
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