第8章 ♡その想いは甘く優しく、そして我が儘で
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(これから、どうしよう......)
あの後......
結局、花臣とコトを終えたあとも
かなりの時間布団の中で離してもらえず、
15分ほどキスの嵐......
その後またその気になってしまった彼に
再び抱かれ、その後もまた離してもらえず......
と、永遠と続きそうなほどに
彼との時間を過ごしていた。
やっと開放してもらえたのは、
急ぎで花臣にも目を通してほしい書類があるから早く来てくれと、執事が何度も彼を説得し、
どうにかめるは
あの永遠ループから抜け出せたのだった。
(花臣さんの気持ちは嬉しいんだけど...
でも......やっぱり今のこの立場で
その気持ちにお応えすることはできないし…。
なにより、今日みたいなのが
またあると思うと......うーん......
どうにかしないとな...)
めるはなんとなく外の空気が吸いたくなり、
そんなことを考えながら
庭で1人頭を抱えていた。
『...めるさん...?』
「...えっ」
すると、透明感のある小さな声が背後から聞こえ
めるはおどろき後ろを振り向く。
『...あ......
驚かせちゃったかな...?
...ごめん...。』
「あ!雪臣さん...!
いえ、そんなことないです...!」
めるは慌ててぶんぶんと首を振る。
『...どうしたの?
こんなところで1人でぼーっと立って。
......なにかあった?』
雪臣はこてん、と首を傾ける。
「...あ...!
その...大丈夫ですよ!
ありがとうございます。」
めるがにこっと笑ってそう返すと、
雪臣は少しだけ悲しげに睫毛を揺らした。
『......なんで笑うの?』
「え......」
『...なにが大丈夫なの?
.........俺は、なにかあった?って聞いたのに。
...それは、答えになってない。』
「......あ...そ、れは...」