第53章 猫とイヤミ
<イヤミside>
……ここのところ……
まったくついてないザンス。
もうずっと水しか飲んでないザンス……
この社会は狂ってるっ!
働いて、働いて、働いて……
働いているのに……
働きに働いているのに、この有り様!
お金が全然貯まらないザンス!
なぜ……なぜ……世間はミーを何故受け入れないザンスっ!?
ああっ!これぞっ……格差社会!
拾った木の棒で地面をつきながら、何とか歩き、助けを求める。
通りすぎる人々はミーをゴミのような目で見て、通りすぎてゆく。
誰も手を差しのべない。
……ミーの生涯はここで終わってしまうザンスか……
そ、そうだ……六つ子のところへ行けば……
ミーは身体を引きずりながら、松野家へ向かおうとするが力が入らず、道端に力尽き倒れこんでしまった。
ああ……ミーが一世を風靡した、
……あの頃に戻りたいザンス……