第42章 君に捧げる 【一松 カラ松】
<カラ松side>
嬉しそうに、うんっと答えるヒナ。
まったく……俺にはいつもそれだ。
それでも……
変わらない君の笑顔が俺には嬉しくてしかたない。
「怒った?」
「お、お……怒った!
ああ、怒ったさぁ!?」
本当は怒ってないがっ!!!
いつもからかわれる俺はちょっとでも反抗してみる。
「だって……カラ松可愛いんだもん」
むぅっとふてくされるヒナ。
いやいやいや!そっちが可愛い過ぎだから!
「だ、だからっ!
男が可愛いなんて言われても嬉しくないからなっ!?」
「でも……ダメなの?」
って上目遣い!
可愛い!くっ!ぐぅー!
可愛すぎる!
「そっそんなキュートに言うんじゃないっ!」
ダ、ダ、ダメじゃっなぁーいっ!!!
そんな目で見つめられると何でも許してしまうじゃないかっ!
リトルデビルめっ!
「カラ松……」
肩に触れていた俺の手を持ち、指を絡ませるように手を握るヒナ。
ヤバい!ヤバい!
こ、これ以上、俺をときめかせてどうする気なんだ?!
「嬉しかったの……
あんな手紙一つで何も言わずに出てった私を、当たり前のように迎えに来てくれたことが嬉しくて……」
「お、俺は……
信じていたぞ?
ヒナの居場所はもううちだってこと、俺達と一緒にいたいって思ってくれていることを。
ただの自惚れがしれないが、それでも必ず迎えに行こうと……これが俺のディスティニーだっ!」
「ふふっうん、そつだね。
ねぇ……もう少しだけ、甘えてもいい?」
「い、いいともっ!カモーンッ!
いつだってウェルカムだぞっ!」
ヒナは俺の前に来ると浴衣の腰にキュッと手をまわす。
俺はそんなヒナを包み込むように抱き締める。
離したくない……
離すものか……
俺は誓おう、君のためならどんな困難だって乗り越えてみせると……
愛してる……