第41章 君に捧げる 【おそ松 チョロ松】
<おそ松side>
「お、俺そんななの……?」
お前にとっては俺はそんな風に見られてんのっ?
自分で聞いておいて俺は嬉しくて、なんだかむちゃくちゃ恥ずかしくなった。
「おそ松くん赤くなったっ!
ふふっ可愛い♪」
嬉しそうに俺の顔を覗きこむヒナ。
俺になんつー顔みせんだよ……
「好きだよ、すっげー好き。
これ以上どうしたら俺のもんになってくれんの……?」
俺はヒナの唇まであと数センチのところで止まった。
奪ってしまうのは簡単だ。
けど、それじゃ変わらない。
全部、俺のものじゃないと……
「じゃあ……試してみようか?」
「え?」
そう言って、更にもう唇が触れるか触れないかというくらい顔を近づけるヒナ。
近すぎて目が離せない。
お互いの息遣いはもう触れ合っているのに唇は触れない。
ヤバい、ヤバい……っ!
こんなキスするよりエロいことなんてあんのっ?!
「……キスしてもいい?」
「ダメ」
「……したい」
「だからダメ」
クスクスと笑う息遣いさえ、俺を誘惑する。
動悸が苦しい、触れたい……っ!
たった十数秒だった。
それでも死にそうなくらい長く感じた。
ヒナは俺の願いを叶えるかのように、優しくその柔らかな唇を俺に重ねた。
「好きだ……っ!」
俺はスイッチが入ったかのようにヒナの唇を奪い、身体に触れた。
全部っ!
こいつの全部が欲しいっ!!!!
……プニョッ……
……はっ?
俺は自分の手を見た
肉球がついてる……しっぽついてる。
猫?
「ぅっ……ぷっ、あははっ!!!」
布団に転がり大爆笑のヒナ。
なんで俺が猫になんのっ!?
ぬああああぁっ!!!
「ちょっと!こらっおそ松っ!
そんなとこ舐めないでっ!
やだっ、ばかっ!エロ猫っ!!!」
クソがっ!!!
ぜってー!
俺なしじゃいられなくしてやるっ!